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ニュージーランド永住権の話と永住権を取得した人達のその後

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ニュージーランドへの海外移住を目指す人、もしくは今現在ニュージーランドで生活している人の最大の目標のひとつに「永住権の取得」というのがあります。もちろん、日本人だけでなく現地で暮らす全ての移民にとって、人生の一大目標です。

しかしこのニュージーランドの永住権、取ってしまった後は、実は結構多くの人がニュージーランドを離れてしまうんです。

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あまり永住権を取得した人達のその後って語られないので、僕の経験と自分の知り合いの範囲で、ニュージーランドの永住権を取得した人がどういう道を辿っているか紹介しましょう。

ニュージーランドの永住権

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まずは、ニュージーランドの永住権について少し。

永住権の魅力

海外で暮らしたことがある人ならわかるかもしれませんが、海外の永住権っていうのはすごく魅力的です。

永住権を持っていれば気軽にその国に入出国できますし、社会保障や労働条件といった面でも現地人と同じ待遇を得られます。

逆に持っていないと、いつまでたっても扱いは「移民」です。つまり、ずっとビザを気にしながら生活することになるんです。これは本当に苦痛です。特に就労に関しては、トラブルの種になることが多くストレスの種になります。

ニュージーランド永住権は永遠!

ニュージーランドの永住権には失効期限がありません。これは凄く珍しいことです。

ほとんどの国では、いくら「永住」とはいえど永住権は定期更新する必要があり、更新するための条件をクリアしなくてはいけません。たいていの場合、一定期間以上その国に居住していないと永住権は失効してしまいます。

しかし、ニュージーランド永住権は失効しません。一度取ってしまえば、生きている限り有効、永遠の永住権なのです。

※厳密には、取得後はじめの2年間は居住期間の規定があります

ニュージーランド永住権は難化の一途

昔はニュージーランドの永住権審査はザルだった(らしい)んですが、最近は申請&審査の条件も年々厳しくなっていて、取得するまでに相当な時間とお金、精神力を消耗します。僕が取った時代でも、みんなそうとう苦戦を強いられていました。

でもその分、取れたときの喜びはもう…なんというか、嬉しすぎて言葉で表すことができないんです。

この瞬間に人生が変わります。それくらい嬉しい!という比喩ではなくて、実質的に人生が変わります。

選択肢が増え、そしてニュージーランドから離れる

ニュージーランドの永住権ホルダーは人生の選択肢が増えます。永住権が失効しないので、いつでも戻ってこれるという保険が生まれます。なので、人によっては永住権取得後、一時的にニュージーランドを離れる人もでてきます。

僕の周りで、同時期に永住権取得を目指した戦友達も、様々な理由でニュージーランドから去っていきました。そして自分も。

子供の教育のため、親の介護のため、仕事のため…それぞれがそれぞれの理由で、より人生のステージに見合った場所に移っていった感じです。(もちろんNZにとどまっている人もたくさんいます)

それはやはり、「また戻れる」という選択肢と安心があるからなんです。

 

 

ニュージーランド永住権取得、その後…事例

永住権を取得した人の多くは20代でNZを訪れ、数年かけて現地でスキル、キャリア、コネを構築し30代で永住権に挑みます。

アウトドア派Iさんの場合

Before:トレッキングガイド
After   :ニュージーランド政府関連機関

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Iさんはニュージーランドに税金を納める立場から、納められた税金を日本で使う側に回った人です。20代中頃にワーホリでNZに住みはじめ、10年以上過ごしたあと日本に帰国しました。

NZでは国立公園でトレッキングガイドのチームリーダーを勤めていたアウトドア派。活動的で社交的、人当たりもよく人種問わず友だちが多く、今もNZ中に多くのコネクションを持っています。

ただ国立公園って山の僻地勤務なので、あらゆるものが限られた生活。彼も結婚し、子供を持つようになってからは、生活の色々な面で不自由する場面が多くなり家庭の事情で日本に帰国しました。

今は東京のNZ政府機関でサラリーマンしています。日本国内を出張で飛び回りつつ、定期的にNZにも出張しているようなので、すごく彼にとってバランスのいいポジションを見つけたようです。

大の釣り好きTさんの場合

Before:シェフ
After   :釣り具メーカー営業

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Tさんは20代前半にワーホリでNZに渡り、シェフとして永住権を取得しました。Tさんのケースはもの凄く特殊で、NZ永住権取得後に日本に帰国してホテルマンになった後、再度、家族とNZに戻ってきて3年過ごし、また日本に帰国するというダブルを達成した珍しい人です。

彼は大のフライフィッシング好きで、夏は仕事が休みの度に往復5,6時間かけて山奥の川に出かけ、トラウトを追いかけていました。ちなみにニュージーランドはフライフィッシングが有名で、特にフライの聖地と呼ばれる南島のゴアには、シーズンになると世界中からフライフィッシング猛者が集まります。Tさんもそんな一人でした。

Tさんは、今では念願の(?)釣り具メーカーに就職し、英語の使える営業マンとして無事日本で社畜生活を送っています。

Tさんはアウトゴーイングな性格で英語もでき、それでいて日本社会にもスッと馴染める柔軟性をもつ人です。フットワークの良さとNZ永住権の自由さを生かして、自分と家族にとってより最適な場所、住みたい場所を選んで生活しています。

2度あることは3度あるので、またそのうちNZ上陸するかもしれません。

シェフときどきエンジニアLさんの場合

Before:シェフ
After   :Web系フリーランス

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日本に嫌気が差したLさんは20代後半に海外移住を決意し南半球に飛びました。オーストラリア生活中に観光で訪れたNZに一目惚れし、即座にNZ引っ越しを決意。その勢いで職探しをはじめ、現地企業に飛び込みで応募し未経験からシェフになりました。

そのあと和食に移り、料理人として働きつつもNZ永住権はIT分野で申請するという誰も通ったことのない道を開拓し、そのまま無事取得してしまったという不思議な経歴の持ち主です。審査官に賄賂を渡したのかもしれません。

Lさんは、永住権取得後もずっとNZでいいかな~と考えていたようですが、家庭の事情で日本に戻らざるを得なくなり、長く務めたシェフをやめ帰国。職替えして、現在は日本でWeb系の仕事を個人でチマチマとやっています。

Lさんの場合は志半ばで帰国したカタチなので、今もNZ再移住を目指して機会を伺っているようです。

 

 

最後に

ここでは帰国した人ばかりをピックアップしましたが、もちろん現地で暮らし続ける人も当然います。

ニュージーランド永住権を取得した人達のその後の道は人それぞれですが、永住権によって人生の自由度が高まったという点では共通です。

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ニュージーランドは人口も資源も少ない田舎の小国。

国の発展に寄与できる人材には永住権を発行し、スキルに見合う労働環境と待遇を用意してくれる国です。技術をもった有能な移民を積極的に受け入れています。

もしニュージーランドの永住権に興味をもったら一度調べてみて下さい。チャンスはあるかもしれませんよ。

 

ニュージーランドの魅力については、こちらで書いています。

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