Life is colourful.

Inspire yourself

日本人のための日本で実践する効果的な英語勉強法-英文法から英会話の習得まで

2016年9月12日更新

f:id:mtasam:20160605095024j:plain

 

少し前に「海外で使える英語」という観点から、日本人の英語の問題点を細かく分析し、その対策としての勉強法について書いた。 


詳しくはエントリーを見てもらいたいが、要約すると日本人の英語が通じないのは以下の6つの問題点があるからだ、と書いた。

  1. 日常会話に必要な単語や表現を知らない
  2. チャンクを意識していない
  3. リンキングを意識していない
  4. リズムがない
  5. 圧倒的なアウトプット経験不足
  6. 外人コンプレックス

 

そして同エントリーの後半で、これらを克服するための英語の勉強法として、様々な手段を列挙したわけだが、今回はその勉強法ついてもう一度焦点をあて深く掘り下げてみたい。

ここではより具体的に、1~6の問題点をクリアするための効果的な英語学習のアプローチを書く。ぼくが今までに試した英語の勉強法の中で、実際海外で通じる英語を身につけるのに役に立ったと実感できたモノを紹介したい。

 

 

英語のうまい日本人をお手本にする

まず、英語学習のモチベーションの部分について。
英語を勉強する上で、自分が目指す英語レベルを明確に設定しよう。そのためには誰か英語のうまい人を目標にするのがよい。具体的に一人を設定することによって一気に現実感が湧くし、なにより向かう方向がはっきりする。(もちろん、お手本を設定せずとも自分の英語学習の目的が明確に見えている人は、この限りではない。)

英語の上手な日本人を目指すのがいいだろう。自分の好きな有名人でいい。Youtubeで動画を探せば色々と出てくる。そして、「これぐらい英語が喋れるようになりたい!」と思う気持ちが持てれば、英語を学ぶ前向きなモチベーションになるだろう。

 
宮里藍。彼女の英語力はすごい。

 

日本人でなくてもいいのだが、例えばアメリカ人俳優を目標に設定したとすると、それは目標ではなく憧れで終わってしまう可能性が高い。そのレベルに到達できるという現実感が湧かないため、長続きしない。

そして実際に、どれだけ努力してもその人の英語レベルには到達しない。なぜなら、二十歳を過ぎた成人がいくら英語を真剣に勉強しても、ネイティブレベルの発音を習得するには遅すぎるからだ。赤ちゃんや幼少期を英語圏で過ごす子供と、成人を過ぎたあなたの英語の習得方法は、全く別物であると認識しておこう。

それにそもそも、ネイティブ並の英語を目指す必要はない。大事なことは「通じる英語」を身につけることなので、あくまで目指す先は「日本人英語」の上手い人であって、目標とする人物は「英語のうまい日本人」でよい。努力すれば確実にそこ到達できる。


中田英寿。彼の英語もいいお手本になる。

 


「使える」英文法を身に付ける

ここから具体的な勉強法を説明していく。
まず、問題点1の「日常会話に必要な単語や表現を知らない」について。

これは、日本人が学校教育で習った単語や表現のレベルが、海外の日常会話で使われているそれらのレベルとマッチしていないという問題点だ。日本人は結構難しい単語や言い回しを知っているのだけれど、それらは実際にあまり使われないことが多い。

実際の日常会話では、ネイティブはphrasal verb(フレイザル・バーブ)という「簡単な動詞と前置詞を組み合わせた便利な表現」を連発して会話をしている。これを日本人は知らない。学校では誰も教えてくれないし、海外に行くまで知る機会がない。

実は、受験英語でもこのphrasal verbは少し学習している。学校では「熟語」として習っているはずだ。暗記したはいいが、肝心の使い方を習っていないので口にできるはずがない。まず、このphrasal verbを身につけないことには、ネイティブの日常会話にいつまでたっても対応できない。

phrasal verbの例:
put on / find out / call off / put off / run away / take up / work out / run off / run out / look up / catch up など

 

これを習得するには、まずphrasal verbの種類とそれぞれの意味を「知識」として知り、そして、実践のなかでどういうニュアンスで使用されるかを知る必要がある。

ぼくは海外の学校ではじめてそれを習った。それを教えてくれた書籍が「English Grammar in Use 」だった。(本の名前からして「使える(使われている)英文法」だ。)この本は世界中の英語を学ぶ人達が使用している英語学習最強の参考書だ。残念なことに、洋書という理由で日本ではあまり馴染みがないが、日本人の間でも知る人ぞ知る名書だ。

この名書の評価とクオリティの高さは過去のエントリーで書いてある。

 

この書籍の中で、何ページにも渡ってphrasal verbの解説がされている。正直、これを徹底的にやるだけでかなりの差が出る。そしてこの本でインプットしたphrasal verbを、後で述べる英会話の実践の中でどんどん使っていけば、かなり「使える英語」の習得の近道になる。

 

英語の映画やドラマを見ていると、簡単な単語しか使われていないのになぜか聞き取りづらい、スクリプトを見ても意味が理解できない、そういう場面に出くわす事が多い。そういうときはたいてい、このphrasal verbが使われている。phrasal verbを知らないと「動詞」の部分の理解できないので文脈を読み取ることができない。

まずはphrasal verbを攻略しよう。

 

 

 

シャドーイング

次に有効な英語の勉強法として、シャドーイングをあげる。冒頭であげた問題点2~4を克服することができるだろう。

シャドーイングとは、耳で聞いた英語を聞いたそばから追いかけるようにして、口に出していく英語の学習方法をいう。例えば上で挙げた動画をどれか再生して、話している英語を聞きつつ、聞こえた音ををすぐに口に出して追ってみよう。それがシャドーイングだ。

シャドーイングのコツは、何度も何度も同じ文やセリフを口にして、口がセリフを覚えてしまうくらいまで繰り返すこと。覚えきったらまた次のシーンをシャドーイングする。これによって、英語のスピード感やリズム感をつかむことができる。そしてそれを繰り返しているうちに、「あ、このofはほとんど発音していないな」とか「この3つの単語は音が繋がっているな」など、よりナチュラルな英語の感覚をつかめるようになり、徐々に英語を体で覚えていく。

導入として、はじめは日本人の英語をシャドーイングしてもいいだろう。そして次第に慣れてくれば、ネイティブが話す英語をシャドーイングの題材にしていけばよい。ネイティブの英語をシャドーイングすることによって、リスニングの効果もあがる。(日本人の話す英語は日本人にはとても聞き取りやすいので、リスニング強化の材料としてはある程度までしか効果がないことは理解しておこう。)

 

僕も昔、日本にいる間にシャドーイングをかなりやっていた。そしてシャドーイングによって多少「英語らしい英語」が身についていたので、海外に出たときも他の人よりはアドバンテージがあった(もちろんそれで十分ではなかったが)。その頃は効果がよくわからずシャドーイングをやっていたが、今振り返れば良い手法だったといえる。

ちなみに、ここで言っている「英語らしさ」というのは、具体的にいえば以下の3点がしっかり意識された英語のこと。

-チャンク(意味のある単語の塊)
-リンキング(隣り合う音同士のつながり)
-アクセント(文中の音の抑揚)

これらは、冒頭であげた日本人英語の問題点2~4にあたるもので、これらの要素が欠けた学校の教科書を読むような棒読み英語は、ネイティブにとっては違和感たっぷりの英語で非常に聞き取りづらく、ときに全く通じない。

 

シャドーイングによって、この違和感は解消され「英語らしさ」を身につけることができる。

シャドーイングの題材
好きな映画やネット上の動画やDVD、スマホアプリの教材などよい。できるだけ自分の興味、または目標にあった場面であることが望ましい。せっかくなので楽しく学ぼう。洋画ドラマなら「フレンズ 」や映画「ホリデイ」などがいいだろう。(たとえ好きでも、法廷もの刑事ものは避けたほうが良い。)

 

f:id:mtasam:20160605095638j:plain

 

 

 

ネイティブとの英会話

やはり、英語学習においてネイティブとの会話の訓練は不可欠である。冒頭にあげた問題点5、6は英会話の実践なくしては克服できない。

 

ぼくが海外に出る前に日本の企業に勤めていた頃、毎週日曜1時間カフェでネイティブと英会話をしていた。ー回3,000円払っていたのを覚えている。10年前以上の話だ。今ではそんなことしなくても、自宅でスカイプを通してネイティブと手軽に会話ができる。しかも昔に比べればはるかに安い。

ぼくの英会話レッスンは週にたった1回だったので、スピーキングの練習としては時間的に不十分だったが、これを2年間続けたこともあり「外人と話すことに慣れる」という点では役立った。そして海外に出たときも、日本の英会話レッスンでやっていた程度の会話は出来た。レベルはそれほど高くないにしても、自分の発する英語が通じないという不安はほとんどなかった。

オンライン英会話はNativeCamp.をおすすめする。理由は、英会話レッスンし放題だからである。

 

そもそも勤勉でシャイな日本人は、何においてもインプットは得意だがアウトプットは苦手だ。英語学習においても、「英語を話す」という行為に極度の抵抗を感じる人は多い。いくら手軽にスカイプ英会話ができるいっても、ヘッドセットをつけてPCに向かって英語を話す自分の姿を想像しただけで気恥ずかしく感じることだろう。

しかし、これははじめのうちだけだ。一度飛び込んでしまえばすぐに習慣化する。なにより、英語を習得したいという強い気持ちがあるのであれば、そこで戸惑っている場合ではない。それにやはり、アウトプットするということは楽しいものだ。自分の英語で外国人とコミュニケーションを取れることを体験できれば、さらなる上達のモチベーションに繋がる。そしてその先には世界に繋がっていることも実感できる。

 

具体的な英会話の勉強法を知りたい方はこちらを参考にして欲しい。

 

先に述べたオンライン英会話や英会話教室、もしくはMeetupなどで外国人と知り合い、ネイティブ相手に英語で話す機会を探そう。そして、上で述べたphrasal verbやシャドーイングの勉強と平行して英会話をしよう。インプットしたものをネイティブとの英会話ですぐアウトプットするというサイクルを繰り返すことにより、スピーキング、リスニング、文法力、全てが相乗効果を発揮し、あなたの英語力はグングン伸びていくだろう。

f:id:mtasam:20160815163942g:plain

 

逆にアウトプットのない英語学習をしていると、あなたは自分が身につけた文法や表現が、実際ネイティブ相手に通じるのか、もし通じたとしても果たしてそれは適切なニュアンスや適切なシチュエーションで使えるのかは、いつまでも理解できない。これでは、いっこうに英語を話す自信が湧かず、英語への苦手意識が拭えない。それこそが日本人の英語の話せない理由である。

 

 

最後に

世界を見れば、色んな国の人間がメチャクチャな文法と自国訛りの英語を使って平然と会話している。躊躇しているのは日本人だけだ。

あなたも英会話の実践を通して大いに恥をかきながら、不完全な日本人英語で話してもいいのだということを知ろう。そして良質な参考書でインプットしたものを、大量のアウトプットで消化することを繰り返していけば、勤勉な日本人の英語は思った以上に上達する。