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【書評】考える力・生産性UP!「ゼロ秒思考」が気になっているなら試してもいい本かも

 

読んだことはなくても、どこかで「ゼロ秒思考」という単語を見聞きしたことのある人も多いだろう。有名な本である。

「メンタルが強くなる」、「前向きになれる」、「素早く行動できるようになった」。ゼロ秒思考を実践した人のポジティブな感想をよく目にする。

 

本当だろうか!?

僕自身も、ずっと気になっていた本なので手にとってみた。書評をかいてみる。

 

 

 

総評

まず、紹介をかねて総評を。

「ゼロ秒思考」とは、思考する時間を極限まで短くして生産性を向上させるトレーニングである。普段から「頭に浮かんだことをその場でメモをとり、1分で思考を整理する」習慣をつけよう、というもの。

本の内容はごくシンプルで、「ゼロ秒思考」の方法論と実践サンプルだけなので、非常に読みやすい。この手の本は、読んで何かを得るものではなく、ノウハウを実践して価値が確認できる。読了後の試行が大事となる。

実際に、この書評の下書きを書くときにゼロ秒思考を実践してみたが、たしかに素早く思考をまとめるということを意識すると、いつもの作業もメリハリができ生産性もあがることを実感できた。この記事を書く時間もいつもより大幅に短くなっている。

また、素早く仕上げることによって、スピード感と成功体験も味わえるので、脳はポジティブになっている。

 

「ゼロ秒思考」自体は、簡単なメソッドなので誰でも気軽に試すことができる。合わなければ、すぐやめればよい。このメソッドと相性の良い人は、大きく自分の能力(脳力)を伸ばすことができるハズであり、「人生を変える一冊」になる可能性は秘めている。

そういう意味では、誰にでも一度読んで試してみてほしい本である。

 


本書の構成

本書は以下の章構成となっている。

  1. 「考える」ためのヒント
  2. 人はゼロ秒で考えられる
  3. ゼロ秒思考を作るメモの書き方
  4. メモを使い尽くす
  5. メモの整理・活用法

 

第1、2章は、理論編というか「ゼロ秒思考」のメリットやその効果に関する講義のような内容。3、4章はゼロ秒思考実践の手順や具体例が事細かに書かれている。

この本の内容はシンプルなので、すぐ読み終えてしまう。要するに言いたいことは、「頭に浮かんだことを、その場でメモしよう、それを毎日繰り返して習慣化しよう」ということである。中身はそれほど濃くない。これを実践して得られるものが濃厚なのであろう。

 

 

 

「ゼロ秒思考」のエッセンス

ゼロ秒思考とは

「ゼロ秒思考」とは、以下を習慣づけるというもの。

  • 思考をA4用紙1ページに一分でメモする
  • 一日10ページ(10分)

思考を頭の外に出して視覚化することによって、考えを整理することができ、それをまとめ、さらに深めていくことができる。

 

著者は、そもそも人は「考え方」を知らないという。

  • 時間をかければ考えが深まるとは限らない
  • 深く考えるプロセスをしらない、習わない
  • 深く考えることと時間をかけて考えることは違う

 

確かに、「大事なことだから、あとで時間をかけて考えよう」と保留にしても、いざ考え出すと、同じところをグルグルと回るだけで時間を浪費してしまうということは、きっと誰もが経験積みだろうし。僕自身もそうだ。

結局、考えているようで考えていない

 

本書は、「深く考える」ことを教えてくれる。

 

ゼロ秒思考のメリットと効果

ゼロ秒思考には様々なメリットがあり、メモ書きを習慣化することによって、多くのポジティブな効果が生まれるという。

 

【メリット】

  • 誰でもすぐ始められる
  • 1日10分でいい、という気軽さ
  • 時間制限があるので集中力が高まる
  • 短時間でアウトプットするので生産性が高まる
  • 頭の中にあることを外に出せばスッキリする

 

僕は読了後に早速「ゼロ秒思考」を意識しながら、仕事やこのブログ記事に関する「思考」をまとめて作業してみた。そして実際にこれらのメリットを実感できた。

1件の思考に対し1分。制限時間を設定することによって脳は活性化する。その結果、生産性も高まる。また、思考を吐き出すことによって頭はスッキリし、1分単位でアウトプットしているので、プチ成功体験も得られる。

 

そして、これを習慣化することによって、さらなる効果が生まれるという。

  • 心が鍛えらる
  • ポジティブになれる
  • あらゆる決断、行動力がはやくなる

 

この先は僕自身まだ体験していないので、しばらく実践を続けながら様子をみたい。

ただ、メンタリティの部分や、決断力、実行力といった他の能力にまで効果を及ぼすという点に関しては、やや疑問を持っている。(ゼロ秒思考の疑問点については後述)

 

 

ゼロ秒思考の具体例

ゼロ秒思考の具体例をあげておく。(本文の抜粋)

1件の思考に対して以下のような4~6行のメモをA4紙1枚に書く。1枚1分。

どうすれば挫折せず英語を話せるようになるか?

-どうして毎回長続きしないのか
-3~4週間年心にやっている間も成果がみえないのは?
-誰かヤル気の高い、一緒に勉強のできる人を見つければいいのでは?
-TOECをもっと活用すべきか?

 

そして、箇条書きにした各項目に対して、さらに深堀りする必要があれば、また1分でメモ書きする。

英語の勉強はどうして長続きしないのか?

-しばらくすると他のことに気を取られてしまし、そちらに夢中になる
-あまり結果が見えないので、ヤル気がなくなる
-勉強の仕方が単調で、変化に乏しいからでは?
-今まで長続きしたことは、なんだっか?

 

これを繰り返していくことによって、どんどん思考は深まっていく。メモというカタチで視覚化されていくので、自分の頭の中を俯瞰できるようになる。

 

 

ゼロ秒思考を読んで残った疑問点

Amazonのレビューなどを見ると賞賛の嵐だが、ゼロ秒思考は万病の特効薬ではない、というのが素直な感想である。

確かにゼロ秒思考は「頭が良くなるシンプルなトレーニング」であり、個人の生産性を向上させる良質な手段かもしれない。ただこれは、あくまで個の能力を伸ばすメソッドであり、これによって対人関係や組織の問題までもが解決するとは考えがたい。

なので、

「嫉妬やパワハラに負けない精神力が身についた」
「自分の気持ちを素直に伝えらえるようになった」

こういった種類の効果があるかはわからない。

 

例えば、本書内でも「職場の上司とのトラブル」に対する思考例が挙げられている。

確かに、人間関係の悩みをゼロ秒思考でメモして、吐き出してスッキリすることはできる。しかし、これによって何かを決断して問題解決のための行動力を得られるかはまた別の能力である、と考える。

つまり個人的には、決断力や実行力にまでゼロ秒思考が有効かという点においては疑問を持っている。これらの要素は、個人の性格にも大きく依存する部分でもあるから。

 

ただこれは、自分がまだ本質を理解していないか、トレーニングが足らないかのどちらかが理由かもしれない。

 

 

まとめ

「ゼロ秒思考」は読みやすく内容もシンプル。気になっている人は、中古などで安く手に入れて、さらっと読んで気軽に試してみることをおすすめする。

ゼロ秒思考の体得は別として、あらゆる作業や思考に対して制限時間を設け、スピードを意識しながら物事に取り組むという姿勢を習慣づけることは、とても重要である。今回、ゼロ秒思考を少し実践したことによって、僕自身その効果も実感できた。

コレを手放しで賞賛することはないが、このトレーニングにより、少なからず日々の生活や仕事にポジティブな影響が出ることを期待して良い。

 

 

 

他にも書評を書いているので、興味のある方はどうぞ。