英語はアウトプットしないと上達しない。
そして、アウトプットの練習を始めると必ず、
- 「この表現は自然なのだろうか?」
- 「ネイティヴはこんな言い方するのだろうか?」
- 「この表現はどういう場面で使えるのか?」
- 「フォーマルな場で使ってもいいのか?」
こういった疑問が湧いてくる。ネイティブの感覚がわからないのだ。
これは、受験英語ではなく「使える英語」を学ぼうとすると避けて通れない壁。逆にこういう疑問が生まれないなら、それはリアルと繋がっていない英語学習を意味する。
海外に住んでいてネイティブに囲まれている環境なら、生活の中でトライ&エラーでこれらの疑問を自然に解決していけるのだけれど、日本国内で英語を勉強しているとそれは無理。
時間もなければ英語を使う環境もなく、教えてくれるネイティブもいない。これでは、どうやっても実戦感覚が身に付かない。
これを解決してくれる英語学習サービスがあるので、ここで紹介していこう。
HiNative Trek(ハイ・ネイティブ・トレック)
英語学習サービス「HiNative Trek 」。
スマホまたはPCがあれば、場所・時間に縛られずネイティブ講師と繋がることができる。(アプリ、ブラウザどちらからでも利用可能)
HiNative Trekがあれば、
「日々、実践的な課題でリアルな英語を学べると同時に、自分のミスや、ふと浮かんだ疑問に対してリアルタイムでネイティブからフィードバックを得られる」
自然と使える生の英語が学べる環境が手に入る。
これがこのアプリの最大のメリット。
冒頭でも書いたけれど、英語はアウトプットしないと上達しない。ほとんどの人はこれまで受験やTOEICでインプット偏重の学習をしてきているだろうから、そういう人達にとって理想的なアウトプット環境になり得るアプリだ。
料金
月額9,800円(1年プランだと2ヶ月分割引で98,000円)。
この料金を高いと判断するかどうかは使い方次第。このアプリを有効活用する方法は後述するが、うまく利用して実践的な英語力をマスターできると考えれば、投資に見合ったリターンになる。
まずは後述してあるサービスの詳細を見てから判断してほしい。
コース内容
HiNative Trekで用意されているコースは以下2つ。
- ビジネスコース
- ITコース
僕はビジネスコースを選択しているが、エンジニアの人はITに特化した「ITコース」がおすすめ。もともとHiNative TrekはIT業界に特化した英語学習サービスとしてリリースされたのでコンテンツの質は保証つき。
以降では、ビジネスコースのレッスン内容とこのアプリを使った効果的な英語勉強法を紹介していこう。
HINative Trekのレッスン内容と流れ
HiNative Trekのレッスンの流れや雰囲気を伝えるために、僕が現在受講している実際のレッスン内容(1週間分)を紹介する。
動画でサクッと内容を確認したい人はこちらをどうぞ。
レッスンの流れ
HiNatiev Trekのレッスンは以下のサイクルで毎日のが進む。
- 課題提示
- 回答
- 添削&フィードバック
- 質問
以下、順に具体例とともに見ていこう。
①一日一題テーマに沿った課題が提示される
月曜から金曜まで毎朝、課題が届く。課題の内容は週末に向けて難易度が上がっていく。アウトプット重視なので英作文か音声、もしくは両方で回答する。
レッスン内容はこんな感じ。
ご覧の通り、月曜の課題は単なる自己紹介の英作文。
私たちをお招きくださり、ありがとうございます。株式会社Autorocket社長のAntonio Butlerと申します。
週末に向けて徐々にレベルの高いビジネストークの英作文になり、金曜には長文の音声回答を要求されている。
②回答
出された課題に対して、回答を提出する。提出は自分の都合のいいときに。
例えば、月曜の課題に対する僕の回答は以下の通り。英作文と音声を入力して提出した。
どれくらい時間をかけるかは自分次第。回答サンプルも表示されるので、2,3分で済まして提出しようと思えば可能だけど、ある程度自分で考えて調べて提出した方がタメになる。
③ネイティブからフィードバック
回答を13時までに提出すれば、その日のうちにネイティブ講師から赤ペンが入る。
僕の担当講師はHeatherという女性の先生。
彼女はおそらく教えるのが大好きな人。自分でも"I like questions!"って言ってるくらいだから、相当添削好き。
メチャクチャ丁寧にフィードバックしてくる。たとえば、以下のようなたった1行の僕の回答に対して、
Thank you for inviting us. My name is Antonio Butler, the president of Autorocket Inc..
この通り、
こっちが引くほど詳しい解説…
はじめは丁寧すぎて焦ったけれど、毎回同じように長文フィードバックをくれるので、彼女はこういう人なんだと理解した。(※おそらくHeather先生は特殊。他の講師がここまでやってくれる保証はないです)
しかも、無駄に長いのではなくて「私たちネイティブはこう言うのよ!」というのを、付加情報も交えてこと細かく説明してくれている。親切すぎ!
もちろん発音矯正も音声(美声)付きで細かく解説してくれる。(予想通り、”l”、”r”をダメ出しされている…)
④質問
そしてこの講師のフィードバックに対して、こちらから質問ができる。
Heather先生の丁寧な添削に対し、僕も気になった点を負けじと長文で返してみた。
添削大好きHeather先生からは、これに対しても(予想通り)倍返しの回答がきたんだけれど、長すぎるのでもう掲載しない…
HiNative Trekのエッセンス
HiNative Trekの本質は上記④の「質問タイム」にある。
このアプリを使うなら、ネイティブにたくさん質問をしよう。
実践の中で生まれた疑問点や質問をネイティブにどんどん投げ掛けて一つ一つ消化していく。これを繰り返していけば、このアプリで英語力を飛躍的に伸ばしていける。
これこそが、HiNative Trekの最大のエッセンス。
- 自分の言いたいことをアウトプット
- 疑問が浮かぶ
- ネイティブのフィードバックを受ける
- 解決する
- 使える英語になる
これこそまぎれもない、「使える英語を身につけるプロセス」である。
HiNative Trekを使って感じた最大のメリット
このサービスの最大のメリットは、
自分で抱いた疑問、自分が知りたいことをピンポイントで深掘りでき、しかもそれに対して、ネイティヴからの的確なフィードバックがある。
この点に尽きるんではないかなと、日々のレッスンを通じて感じている。
要するに、
自分の疑問に対して最も確からしい答えをリアルタイムで手に入れられる。
HiNative Trekは学習意欲が高い人には価値の高いサービスになるだろう。
HiNative Trekの効果が期待できる人、向いている人
HiNative Trekは特徴がはっきりしたサービスなので、向く人、向かない人が明確。
HiNative Trekはその性質上、英語のアウトプットの場がほしい、ネイティブの感覚を知りたい、といった人達にとっては効果の高いアプリになる。
特に以下のような人にはより最適。
- 仕事上英語を身につけざるを得ない人
- 将来英語を使って仕事をしたい人
- 留学や海外移住のために本気で英語したい人
英語を使う目的が明確で、ネイティブの指導の元で実践的な英語を習う必要がある人は、確実にHiNative Trekがいい仕事をしてくれる。
実際に昔、僕も海外でIELTSのスコアを取るために勉強していたとき、どうしてもネイティブの指導が必要になった状況があった。
ライティング、スピーキングのスコアを2ヶ月後にあげなくてはいけないのに、自分の使っている英語が正しいのか間違っているのか、自然なのか不自然なのか、は自分で添削できない。
このときに、HiNative Trekのようなサービスがあればすごく効果的だったのになと思う。
HiNative Trekが向かない人
逆に以下の人達はHiNative Trekを使用しても効果が薄いだろう。
- 全くの英語初心者(⇒講師の添削を理解できない)
- 受験英語やTOEIC対策などのテクニックだけを知りたい人
- 単語や文法などインプットに集中したい人
ハッキリ書くと、「なんとなく英語が上手になりたいな…」ぐらいのモチベの人はこのアプリはダメ。
公式ホームページのQ&Aにもハッキリと書かれている。
Q. 楽して学びたいです。
A. このサービスの対象は、楽して学ぶ魔法のような方法は無いと理解している方々となります。 楽な方法はないですが、効率的で確実に上達する方法を提供してまいります。
(以下略)
利用してわかったHiNative Trekの効果的な勉強法
HiNative Trekの効果的な使い方がある。
上で少し書いたけれど、
「徹底的に深掘り(質問)すること」
これが一番大事。
要するに、せっかくネイティヴ講師に気兼ねなく質問できる場が用意されているのだから、可能な限り使い倒そうってこと。
HiNative Trekの質問タイムを最大限有効活用して学習をより効果的なものにしていこう。
深掘りの質問例
与えられた課題から関連、派生して生まれた疑問を、以下のような感じでネイティブに投げる。
- 「この表現はネイティブにとってナチュラルじゃないの?」
- 「この表現(代案)ではダメなの?」
- 「それはフォーマルな場面で使えるの?」
これらは、僕がよく深堀りするときに使う質問。
使える英語を学ぶということは「状況に適した言葉で相手に違和感を与えない英語」を知ることなので、自分の感覚をネイティブのそれに擦り合わせていく必要がある。
深堀りの具体例
例えば、僕の以下の回答に対して、
Thank you for inviting us. My name is Antonio Butler, the president of Autorocket Inc..
Heather先生はこういう回答を提示してきた。
- "President"は大文字が通例
- "I’m the President of Autorocket, Inc."が自然
- "I'm Antonio Butler, President of Autorocket, Inc."もネイティブはよく言う
このフィードバックに対して浮かんだ疑問をストレートに返して見た。
- "President"はわかったけど、"manager"でも大文字にするのが自然なの?
- 最後のピリオド2つ必要だと思うんだけど?(「Inc.」+文末ピリオド)
Heather先生によると、この役職や会社略字の表現方法は実際かなり複雑らしい。会社や人によって表現が異なる場合も多々あるから、文法的に正誤を考えるんじゃなくて、通例に従ったほうがいいよ、と。(ちなみに"Manager"も大文字で使ってもいいらしい。)
「最後のピリオド2つ」というのも、実は不自然なのはわかっていて敢えてそう回答したのだけど、Heatherによると、ネイティブでも「2つおくべき」とする人もいるという。
"Inc."で終わらせることが多いけど、混乱を避けるために、略さずに"Autorocket Incorporated." や"Autorocket."で済ます場合もある、とコメントをくれた。
ネイティヴが現実に即して回答してるのだから、これが実状なのだろう。興味深い。
こういう感じで、少し時間を割いて質問していけば、リアルな英語をより深く学んで行くことができる。
HiNative Trekは使える英語を学ぶのに最適なサービスなので、英語をマスターしたいと真剣に考えている人ほど利用価値は高いだろう。
HiNative Trekと一緒に使うと便利なツール
最後に少しおまけ。
僕がHiNative Trekの課題をこなす上で使っている便利な無料ツールを紹介しておく。
以下のツールを入れておくとさらに効率よくHiNative Trekで学習できる。特にPCで利用する人はChromeの拡張機能をうまく利用しよう。
もちろん、このアプリ以外でも英語学習全般に使えるツールばかり。
HiNative(ハイネイティブ)
HiNative Trekの姉妹アプリ「HiNative」は語学学習のQ&Aプラットフォームで、語学や文化について気軽にネイティブ・スピーカーに質問ができる。
ある言語に関して質問するとネイティブから回答が得られ、逆に自分も母国語の質問に対してネイティブとして回答できる。
HiNative Trekよりカジュアルな場所なので、専門性はやや劣るが英語の疑問を気軽にネイティブに質問できる。
Grammarly(chrome拡張)
HiNative Trekを使っていると英作文する機会が増えるので、文法チェックツールは必須。
Grammarlyは、自動で文法チェックしてくれるツール。文法ミスがあるとリアルタイムで警告を出してくれるので、英語を書く機会の多い人は入れておいて絶対に損はしないツール。
おすすめGrammarly for Chrome - Chrome Web Store
Grammarlyの使い方はこちらを参考にどうぞ。
英語の文法チェックに!秀逸な英文校正ツール「Grammarly(グラマリー)」の使い方
Weblio英和辞書、iKnow辞書、Mate Translation(chrome拡張)
ポップアップ辞書ツールや必要に応じて翻訳ツールも入れておくとさらに勉強が捗るだろう。
おすすめWeblioポップアップ英和辞典
おすすめiKnow! ポップアップ辞書
おすすめMate Translate